甲状腺センター
甲状腺内視鏡手術について
当院では以下の病気(疾患)に対応しています。
- 甲状腺良性腫瘍 大きさが5〜6cm程度までの良性結節
- 甲状腺悪性腫瘍 甲状腺外への浸潤やリンパ節転移がない乳頭癌
- バセドウ病 甲状腺の腫れが比較的軽度のもの(推定60g以下)
- 良性副甲状腺病変
内視鏡補助下頚部手術(VANS法)は日本が世界に先駆けて開発した手術です。
2016年に保険収載され、保険診療内で手術を受けることが可能です。一定の条件を満たした甲状腺や副甲状腺の病変が対象となっています。
鎖骨の下の3cmほどの小さな傷と頸部の外側の5mmの傷にて手術を行い、手術操作やその範囲は通常の切開する手術と同様です。
頚部に切開創が残らないため従来の手術より整容性が優れ、術後在院日数も短く、患者様の満足度が非常に高いといわれています。また内視鏡で映される画像は非常に鮮明で、拡大視野で温存されるべき神経や副甲状腺が容易に確認でき、安全性も優れています。
内視鏡手術について
甲状腺内視鏡手術の
ポイント
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01
VANS法手術のメリット
Advanced Preoperative Planning
鎖骨下に3cm程度の皮膚切開を行い、内視鏡を挿入するため頸部の外側に5mmほどのわずかな切開を行うだけで施行できます。
創痕が小さいうえに、通常の着衣によって隠れる位置のため、整容性を大きく損なわずに手術が可能です。 -
02
内視鏡下での近接術野と肉眼での視野の違い
Intraoperative Balancing
内視鏡下での手術では、神経や細い血管の確認が容易であるため、神経の温存や止血処置が安全・確実に行えます。
患者さんのメリット
内視鏡手術によって
患者さんの負担が軽減できます
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首に大きな傷がない
鎖骨の下の3〜4cmと首の外側の5mmの2ヶ所に傷ができます。通常の頚部を切開する手術では、首の前に5〜8cmの傷が必要です。
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安全な手術です
甲状腺・副甲状腺手術における種々の合併症・後遺症(出血、神経麻痺、副甲状腺機能低下)の確率は、通常の頚部を切開する手術と同等です。
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確実な手術です
拡大・近接視野での手術では神経の確認が容易であるため、神経の温存や神経周囲のリンパ節郭清が安全・確実に行えます。副甲状腺を確実に温存することが可能で、副甲状腺機能の低下を予防します。
Q&A
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A 内視鏡手術については、全ての甲状腺疾患が対応ではありません。診察時に医師へ確認をお願いします。
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A 術中、術後に合併症が無い場合は、4~5日程度です。
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A 退院後翌日から可能です。
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A すでに保険適応になっています。年齢や所得によって限度額は異なりますので、医事課へ問合せをお願いします。